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議事録
平成18年3月17日 都市整備委員会

◯小沢委員 それでは、私からは震災の対策についてお伺いいたします。
 震災対策の基本というものは、震災時の危機管理や被害想定などの調査・研究を行う研究、木造住宅密集地域の改善や建物の耐震化などを行う予防、地震直後に人命救助やライフラインの確保などを行う復旧、そして被災後の生活やまちを再建していく復興の四つに分類されます。研究、予防、復旧、復興の四つでございます。
 近年、大地震の切迫性がいわれる中で、予防を中心に研究から復旧までの問題につきましては、議会においても頻繁に取り上げられております。今定例会本会議における我が会派の代表質問、そして私の一般質問でも、このような視点から質問をさせていただきました。
 しかし、先月の都が公表いたしました首都直下地震の被害想定におきましては、中間発表におきましては、大地震が起きた際、この東京では甚大な被害が想定されるのでございます。被災した場合には一日も早い復興を図るためにも、震災の復興への取り組みが非常に大事であると考えます。阪神・淡路大震災では、住民の合意形成を得るために非常に時間がかかったために、地域によって復旧の計画の内容、そしてスピードに差が出たと伝えられております。
 そこで、震災後の復興対策について何点かお伺いをいたします。
 こうした阪神・淡路大震災での事例を踏まえて、都は復興について基本的にどのようなお考えをなされておるのか、お伺いをいたします。

◯石井市街地整備部長 復興に当たっての大事なポイントは三点ばかりあろうかと、このように考えております。
 一点目は、お話にありましたように、できるだけ早く復興することでございます。二点目は、早く復興するとはいっても、復興を急ぐ余り、従前のような災害に弱いまちを再びつくらないように、道路、公園などの整備をしっかりと進めることでございます。三点目は、そうした機会、決して待っているわけではございませんけれども、そうした機会を逃さずに、多くの人々が現在のまちに不足していると感じているような緑の創出や良好な景観づくりなどを同時に進めていく、そうしたことであると考えております。
 これら三点の調和を図りながら復興を進めることが大切でございます。そして、この調和のかぎを握るのは地域の力だと、このように考えております。
 阪神・淡路大震災の例を見ましても、震災前からまちの将来像が示され、まちづくりに対して議論が高まっていた地区は、たとえ強い反対運動があったとしても、震災後のまちの早期復興が可能になったと、このように聞いております。
 このような教訓からも、復興計画を円滑に立ち上げて実施していくためには、行政の力だけでは限界があり、住民が自分たちの住むまちをどうしていくかをみずからも考え、住民同士が協力して復興に取り組む、いわゆる地域力が不可欠でございます。行政が復興に全力を尽くすことは当然でございますが、こうした地域力が発揮されて初めて円滑な復興につながる、このように考えているところでございます。

◯小沢委員 ただいまご答弁いただきましたとおりに、復興に当たっては、そこに住む住民同士がみずから協力し合って、まちづくりに取り組む必要性があると理解いたしております。また、これは通常の都市計画ですとか区画整理といった事業に当たっても、住民の意見を日ごろから行政の方で吸い取っていただきたい、このようにも考えております。
 それでは、この復興は具体的にどのようなイメージで進められていくのか、お伺いいたします。

◯石井市街地整備部長 地域によって被災の状況は大きく異なります。そうしたことから、地域の復興の進め方は、それらの状況に応じて考えていく必要がございます。
 例えば、被害が小さな地域は、住民個々の力による自力復興が主体となりましょう。また、被害が中程度の地域は、地区計画の活用や共同建てかえによる不燃化の促進など、主に修復型の事業が復興の中心となると想定されます。被害の大きい地域は、区画整理事業などによる全面的な改造が必要となるため、建築制限などさまざまな制限を住民に強いることとなり、他の地域以上にまちづくりに対する住民の理解を得ておく必要がございます。
 このように、地域によって復興の進め方は異なるものの、それぞれの地域がまちの将来像を共有しながら復興計画を立案し、その後のまちづくりに結びつけていく、そうしたことが復興の進め方のイメージと考えております。

◯小沢委員 復興に向けては、地域住民の心を一つにまとめるということが非常に重要であると思いますが、一方、口でいうほどこれは易しい問題ではないと思います。非常に難しい問題であると認識しておりますが、都が考えるような住民主体の復興をうまく進めるには、神戸の例を見ましても、発災してからの対応では遅過ぎると考えます。
 平時からの備えが必要であり、それが復興の成否を左右すると思いますが、都はどのような取り組みを行っておるのか、お伺いいたします。

◯石井市街地整備部長 都では復興を迅速に進めることができるよう、震災復興マニュアルを策定し、復興の全体像を示すとともに、新たな仕組みや具体的な施策を提示してございます。このマニュアルに基づき、毎年、地域住民や区市町村の担当職員を対象とした復興模擬訓練を行っております。
 地域住民による模擬訓練は、これまで、委員ご当地の墨田区の東向島地区など十一カ所で実施してきており、自分たちの住むまちを歩いて回り、地震が起こった場合の危険要因を検証したり、まちが大きな被害をこうむった後の復興時のまちづくりはどうすべきかについて考えております。
 行政職員の模擬訓練では、現場へ出て被害の状況を把握するための調査の訓練や、被災状況に応じた復興まちづくり計画の策定などを図上で行っております。
 これらとあわせ、毎年実施している震災復興シンポジウムにはたくさんの方が来られまして活発な意見交換がなされるなど、都民の意識の高さがあらわれてきております。
 PR不足などまだまだ不十分な点もございますけれども、こうした取り組みとともに、沿道一体街路事業などによる日ごろからの木密地域での地元住民と都区が連携したまちづくりの取り組みは、阪神・淡路での教訓にも見られるように、必ずや震災復興の早期実現に結びつくものと確信しております。

◯小沢委員 今お答えいただいたような模擬訓練の実施というのは、実際に被害に遭われたときに、住民みずからがどう行動したらいいかということを身につけられ、非常に有意義なことだと思います。今十一カ所で実施されておるというふうにご答弁ありましたけれども、各地域でこれを拡大していっていただきたいと思います。
 そこで、地震による災害が発生しても円滑な復興が可能となるよう、今後も積極的な対策を講じていただきたいと思いますが、最後にこの件についての所見をお伺いいたします。

◯石井市街地整備部長 関東大震災や阪神・淡路大震災における復興事業を見るまでもなく、災害が起こったときには、素早く復興に向けて対応することが不可欠でございます。災い転じて福となすの言葉どおり、被災した東京を、将来に禍根を残さないよう、すばらしいまちに復興していくことが行政の使命でございます。
 今後とも、住民の理解を得られる施策、円滑な復興が可能となる施策、それぞれに創意工夫を凝らしながら取り組んでまいります。
 あわせまして、いざというときに備え、関東大震災を契機として、区部面積の四分の一に相当する東京の都市づくりを進めてきた実績のある区画整理や再開発など、いわゆる市街地整備の技術やノウハウの継承にも努めてまいります。

◯小沢委員 首都直下型の地震はいつ東京を襲うかわかりません。都は、より一層緊張感を持って復興に対する備えをしっかりしていただきたいと最後に要望いたしまして、この震災対策についての質問を終え、次に移らせていただきます。
 次に、耐震改修促進事業についてお伺いいたします。
 本事業の予算化を決めるに当たり、庁内討議会を経てきたようにお伺いしております。その経緯と、具体的にどのような討論がなされたかをお伺いいたします。

◯野本市街地建築部長 震災から都民の生命、財産を守り、建築物の耐震化を促進するため、庁内関係各局による検討会を昨年五月に設置しました。検討会のメンバーは、総務局、財務局、主税局、生活文化局、東京消防庁と都市整備局でございます。
 検討会では、住宅の耐震化の促進に当たって、都民に対する普及、啓発や、都民の費用負担の軽減、都民が安心して耐震化に取り組むための仕組みづくり、こういったことについて検討しております。
 木造住宅の耐震助成事業の創設に当たりましては、自助、共助、公助の観点からの公益性の確保のことであるとか、あるいは地域や期間を限定することによる重点化、あるいは国の補助金や交付金の活用の仕方、そして区の助成制度との連携といった視点から検討を行いました。

◯小沢委員 愛知県や静岡県、そして横浜市など他の自治体の例でも、診断と改修に対する助成制度をつくっただけでは、なかなか耐震改修の促進は進んでいないのが現状でございます。本会議の代表質問でも触れましたけれども、耐震診断はまずまずの実績があっても、耐震改修の実績はなかなか伸びていないのが現実でございます。
 私、地元の墨田区でも独自に耐震診断、耐震改修の助成制度を設けておりますが、まだまだ活用が少ない状況でございます。そこで、今回の東京都の制度が有効に活用されるためには、どのような取り組みを行っていくとお考えか、お尋ねいたします。

◯野本市街地建築部長 この制度が活用されるためには、区との連携、そして都民への周知が欠かせないと考えております。
 まず、各区に対しましては、制度検討の段階から協力を得て協議を行ってきているところでありまして、今後についても、制度が十分活用されるよう区と連携しながら取り組んでまいります。
 それから、都民に対しては、耐震診断、改修の必要性あるいは助成制度の活用について、パンフレットの配布や窓口での説明のほか、区と合同による説明会の開催などにより普及に努めてまいります。

◯小沢委員 十八年度の予算では、耐震改修促進事業メニューの一つとして、耐震診断・耐震設計事務所登録制度が新規事業として四百万円計上されております。そこで、この制度の目的と基本的な考え方についてお伺いいたします。

◯野本市街地建築部長 本制度は、信頼できる耐震診断技術者を育成し、公表することにより、都民が安心して自宅の耐震診断を依頼できるようにするものでございます。
 この制度によりまして、建築士の技術レベルの向上あるいは不良技術者の排除が図られ、住宅の耐震化が促進されると考えております。

◯小沢委員 それでは最後に、構造計算偽装問題についてお聞きいたします。
 福岡で、いわゆる姉歯以外に偽装の疑いがある物件が三件判明されたと発表されております。まだ確証を得ていない段階ですが、やはりそうだったのかなと思わざるを得ないのが正直な思いです。さらに、横浜で設計ミスを見逃していたという物件も判明しています。
 そこで、あえてお尋ねしますが、非姉歯物件で偽装なしと結果が出ているもの、間違いなく偽装なしと考えてよろしいのか、お伺いをいたします。

◯野本市街地建築部長 都は、姉歯元建築士が関与している建築物以外で、ヒューザー、平成設計、木村建設、総合経営研究所が建築に関与している物件として九十五件を把握しております。このうち建築計画を取りやめた一件を除く九十四件につきまして、区市と協力して耐震性能調査を行ってきております。
 現に五十一件の物件が調査済みでありまして、すべて偽装なしという報告を区市から受けております。これらの報告については、再計算等により耐震性の確認を行ったものであり信頼できる、このように考えております。
 残りの四十三件については現在調査中でありますけれども、区市に対して速やかに調査を行うよう要請しております。

◯小沢委員 あえてこのような失礼に当たるかもしれない質問をさせていただいたのは、ある建築専門誌に、渦中のイーホームズ、藤田社長の発言なんですけれども、姉歯以外の建築士による偽装情報を得ているが、構造設計者が行政に報告しても取り合ってもらえない、詳しい資料が出そろい次第公表する旨、書かれております。しかも、この記事は、まだいわゆる非姉歯物件での偽装が確認されていない前の段階でのインタビューに答えたものであります。
 この件の真偽のほどは定かではありませんし、どこであろうと、行政当局が偽装の隠ぺい行為を行うとは考えたくありません。しかしながら、事件発覚後四カ月がたっても、非姉歯物件に住まわれている方々はもちろんですが、多くの国民の不信と不安は払拭できていないと思っております。
 そしてまた札幌では、建築士みずからが新たな偽装を認めてもおります。これは、姉歯元建築士や木村建設、ヒューザーなどの関与しない物件です。
 昨年末、本委員会で花輪理事から、今回、耐震強度の再計算の対象にされていない、都が建築確認したその他のマンションについても調査を行うべきではないかとの意見が出されましたが、私も同じ意見です。当面は、姉歯や木村建設などの関係物件の調査が優先されることは当然と思いますが、今後さらに対象を拡大することも検討されることを要望し、そして都におきましては、一刻も早く真相を明らかにして、再発防止に取り組んでいただくことを切望いたしまして、私の質問を終了させていただきます。


 


 

 

 

 

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